2014年ロシアの通貨下落に学ぶインフレのリスクとは?

昨年くらいから世界的に為替の変動が大きくなっているように感じます。
特にスイスフランの変動は記憶に新しいでしょう。

今回は、昨年のロシアルーブルの急落についてと、通貨安によるインフレのリスクについて考えたいと思います。

ロシア経済は、2010年以降堅調に推移していて、GDPも順調に伸びていました。
http://ecodb.net/country/RU/imf_gdp.html#index02

もちろん為替相場も安定していて、2014年前半は、1$=30ルーブル台で大きな変動はありませんでした。
しかし、昨年の夏頃から、米国の原油先物価額が急落を始めると、それに合わせて、ロシアルーブルの相場も下落していきました。

原油とロシアルーブルの値動き(過去1年間)
http://gyazo.com/1ad991c2c4783b955aa7f07b66629ebb

ロシアは、輸出の7割前後が原油や天然ガスなどのエネルギーなどで、国の収入に与える影響は大きく、経済の先行きにも懸念がでてきました。

そのことから、原油相場の値下がりとともに、通貨ルーブルも急落しましたが、現実にロシア経済や国の財政が悪化してきたと言うよりは、投機的な値動きにより通貨の変動が起こったとみても良いと思います。

ロシアの外貨準備は45兆円程度あるため、すぐに国がデフォルトするとは考えにくく、原油相場の急落も、ロシア経済にダメージはあると思いますが、それ以上に問題なのは、通貨の急落だと思われます。

通貨が急落すると、輸入品の値段に大きく影響を及ぼします。
さまざまなニュースになっていますが、例えば、高級ブランドのカルティエは、12月にロシア国内の販売価格を50%引き上げました。
アップルのiPhone6は、2ヶ月連続の値上げで、1ヶ月足らずの間に69%も値上げしています。
日本にもある家具のIKEAなどは、通過の値下げに価格改定がおいつかず一時販売を停止していました。

自動車に目を向けると、トヨタなども2015年は平均20%程度の値上げを予定しているようです。
そして昨年の11月、レクサスやポルシェなどの高級車は、50~60%も販売台数が急増しました。
価格の値上げ前に、買っておこうと言う駆け込み需要が発生したと思われます。

自国通貨が半分になったと言うことは、貯金で持っているお金の価値も目減りしてしまうわけですから、その前に、物に換えておこうということですね。

2015年の自動車の販売見通しは、前年比24%減と駆け込みの反動と値上げのデメリットが懸念されています。

このように、インフレが発生しスパイラル的に続いてしまうと、歯止めが利かなくなり、ハイパーインフレといわれるようになります。

2008年ジンバブエのハイパーインフレ
http://thepage.jp/detail/20140227-00000008-wordleaf

国の財政や、通貨に信頼がなくなるととても恐いです。
ロシアで100万ルーブルを貯金していた人は、2014年初頭は3万米ドル前後の価値がありましたが、2014年12月には、1万6000米ドル前後の価値しかなくなってしまいました。

お金の価値と言うのは、不変ではないと考えさせられます。

日本においても、食料品を中心に値上げのニュースが相次いでいますが、これも、円安(=お金の価値が下がった)の影響が大きそうです。

日本は、食品やエネルギーなど、輸入に頼っている部分が大きいので、インフレのリスクを意識しておいた方が良いのかもしれません。

最近、「ギリシャ」や「ロシア」「スイス」と「ユーロ」など、国の財政や通貨などが、クローズアップされることが増えています。

2015年は、そうした「国」や「通貨」というものが、マーケットの話題になりそうですので、投資をしている方は、要チェックです。

株高と円安の本質?

2014年のマーケットを振り返ると、米$円は105円台から119円台へ14円(13%)も円安に進み、日経平均株価は、15,908円から 17,450円へ(9.7%)近く上昇しました。

日経平均の動きだけを見ると「株が結構上がりましたので、投資した人は正解だった。」と言う事になるのかもしれませんが、実際はそう単純ではありません。

これは、将来の生活を考える上で、知っておいていただきたい為替のことです。

為替が13%も円安になりました。

年初に1$のものが105円で買えたのに、年末には119円も出さないと買えなくなったわけです。
つまり、「お金」そのものの価値が安くなったということなのです。

実際に、2015年は日用品の値上がりが相次いで発表されています。
食用油、インスタント食品、冷凍食品、トイレットペーパー、文房具、ウイスキーなど、ニュースを見ていると、10%前後の値上げが見込まれるものが多いようです。

例えば、株式投資で、100万円を110万円に増やしたとしても、1年前に100万円で買えたものが、110万円するのであれば、実際の生活として考えれば、増えていないのと一緒です。

そして、銀行預金しかしていなくて、100万円のままだった人は1年前と比較すると90万円分の商品しか買えなくなったわけですから、実質的には、10万円分損してしまった事になります。

見方を変えて、アメリカ人が日経平均株価指数に投資をしていたら、どうなったでしょうか?

こういうときに便利な指標が、「ドル建て日経平均」です。

2014年初めのドル建て日経平均は152$でしたが、年末のドル建て日経平均株価は146$と値下がりしていました。

http://www.marketnewsline.com/apps/market/quotes?lang=ja&r=12m&c=1010&t=large&more=&with=vma&t=large

(過去12ヶ月チャート)

つまり、アメリカの投資家にとっては、昨年の日経平均株価指数への投資はマイナスだったと言うことです。

日本の投資家とは、だいぶ印象が変わってしまいます。
これが、為替の変動リスクですが、日本の「円」と言う通貨自体の価値が毀損していることを知っていただくことと、ドル建ての価格を意識するということを覚えていただければと思います。

今後、インフレが定着するかどうかは分かりませんが、何らかの対策を長期の視点で考えていく必要があるのではないでしょうか。

2月9日資金受取分の住宅ローン金利が0.77%!フラット35S金利引き下げ幅拡大

平成27年2月3日に成立した平成26年度補正予算を踏まえ、住宅ローンフラット35Sの金利引き下げ幅が、平成27年2月9日以降に資金を受取りになる人から拡充されます。

例)H27年2月9日に実行する場合

<借入期間35年、金利Aタイプ(10年間金利引き下げ)※フラット35>

当初10年間   0.77%
11年目以降   1.37%

※フラット35の金利は金融機関によって異なります。

<融資額が3000万円の場合>

当初10年間   年間 約98万円の返済
11年目以降   年間 約108万円の返済

当初10年間の資金計画をどのようにするのかがとても重要です。

(あなたのご家庭ではどんな資金計画を選びますか?)

☑️利息軽減分を10年間貯蓄する
☑️利息軽減分を10年間運用する
☑️利息軽減分で生命保険に加入する
☑️毎年繰上返済をする(インターネットは10万円以上から)
☑️毎年のレジャー費にする
☑️毎月の外食費にする

今を楽しむのか、将来に備えるのかは、あなた次第です。

答えはありませんが、

どちらも大切なことですので、何ごともちょうど良くバランスが大切です!