修繕積立金の運用難!

マンション管理組合の積立金の運用は、安全性が高くリスクの少ない商品で運用することが大前提だと思います。ただし、銀行に預けておいても利息は殆どつきません。

現実的に、積立金不足で修繕資金がまかなえず、住宅金融支援機構などで融資を受けて修繕をしているケースも見受けられます。

私がマンション管理組合をコンサルティングしているNPO団体に、積立金不足の原因を確認したところ、運用をあきらめて決済口座に預けているだけの管理組合も少なくないとのことでした。

運用しないことが原因で金利の負担を居住者がすることになったらいかがでしょう?

マンションにお住いの方の中には、住宅ローンと修繕積立金、管理費が家計の多くを占め、教育資金が必要なライフステージであれば、金利分を負担するのは大変かもしれません。

今までの家計のやりくりでもギリギリの生活をしているのに、「今さらなんで?」と思われるかもしれませんね。

インフレに向けて、修繕積立金を運用しないと資金が値べりすることも考えないとならないでしょう。

お住いのマンションでは、2%のインフレ予測を立てて修繕積立金の運用をされていますでしょうか?

積立金の安全性を確保した上で、好金利が期待できる運用を行うことで、最終的には、マンションにお住いの皆さんの負担が軽減されたり、修繕等も十分行えて、住みよい環境が整えられて喜んで頂けるのではないでしょうか。

では、実際の運用としては、

株式や不動産投信(リート)で運用する投資信託や、為替リスクのある商品では値動きによって元本が大きく上下するリスクを抱えていますので運用先としてお勧めできません。

円建てで為替リスクがなく、低リスクの商品を厳選すれば、円建ての固定利付債券や円建てのヘッジファンドなどに分散投資をすることも検討できます。

例えば、ある証券会社にて、次のような商品があります。

①債券 1年満期固定金利3.20% (1口250万)

②債券 3年満期固定金利3.50% (1口250万)

③ヘッジファンド 運用実績約6% (1口約1300万以上50万単位)

例えば、資産5000万を①、②、③均等に1500万ずつ投資したと仮定し、5年後、10年後どうなるかシミュレーションをしてみます。 (以下の金額は概算金額です。税金は①、②は20.315%、③は25%で計算しています。)

5年後

①1500万⇒ 税引き後 16,912,440円 (税引き後利息 1,912,440円)

②1500万⇒ 税引き後 17,091,730円  (税引き後利息 2,091,730円)

③1500万⇒ 税引き後 18,379,788円 (税引き後利益 3,379,788円)

トータル4500万⇒ 税引き後 52,383,958円 (税引き後利益 7,383,958円)

10年後

①1500万⇒ 税引き後 18,824,880円 (税引き後利息 3,824,880円)

②1500万⇒ 税引き後 19,183,460円 (税引き後利息 4,183,460円)

③1500万⇒ 税引き後 23,471,786円 (税引き後利益 8,471,786円)

トータル4500万⇒ 税引き後 61,480,126円 (税引き後利益 16,480,126円)

③の成績が一番良いのですが、あくまでも、安全性を考慮し、万が一の元本割れに備えて、 分散投資をすることを忘れてはいけませんね。

3つの商品とも、過去に元本割れは無いようですが、5年後に、万が一、1つの商品が3~4割くらい毀損するようなことがあっても、トータルリターンを見ると、全体として当初の投資金額が確保されていることがわかります。

また、①②③は証券会社の商品ですので、資産は分別管理が法令で定められています。 銀行などとは違って、万が一倒産しても、有価証券、預り金は全て保全されています。 マンション管理組合の積立金運用の参考になればと思います。

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